この記事ではカナダでの資産運用のうちREITに焦点を当てて銘柄選定の手順を説明していきます。
今回はカナダでREIT投資をするにあたりREIT銘柄の選定する方法を銘柄検索に使えるWebサイトの紹介やチェックポイント、落とし穴など具体的に解説します。
前提として留学中は勉学に専念してお金を目的としたアルバイトをしない予定なので資産運用の利回りでできる限り生活費を賄わなければなりません。
ウィキペディアで銘柄の一覧を取得する
ウィキペディアかよ、とお思いかもしれませんがカナダで売買できるREIT銘柄を調べるには十分です。
リンク先の一覧の抜粋は以下のようになっています。(2024年3月執筆時点)
Traded as(TSX)というのが銘柄コードでこれで検索することで間違いなく目的の銘柄を調べることができます。
REIT銘柄情報検索に使えるTIPRANKS
REITに限らず投資信託や株式の個別銘柄、クリプト(暗号資産。かつて仮想通貨と呼んでいたもの)も検索、概要調査できるのが以下のWebサイトです。
プレミアム登録すると専門家の分析が見られるそうですが、プレミアム登録しなくても基本的な情報は見られるので十分です。*1
TIPRANKSの使い方
ウィキペディアで一番上に出ていた銘柄を調べてみます。
トップ画面左上の検索窓に銘柄コードを入力しましょう。
AP.UNと入力してエンターを押すと、一瞬「見当たりません」のような画面が表示されますがすぐに下のような画面が表示されます。
左側のナビゲーションからChartを検索すると過去の価格の推移が見られます。近年は下落して割安になっているようですね。
次にDividiendsを選択します。
注意:REITの場合は配当金ではなく分配金と言うのが正しいのですが、このウェブサイトではDividiends(配当金)と言う言葉が使われています。株と同じフォーマットで表示しているので仕方ないと割り切って読み替えることにしましょう。
すると、Dividiend Dataと言うところに、次回の分配金の支払い予定日、毎月の分配金金額、利回りなどが表示されています。
このページで過去1年にわたって安定的に分配金が支払われていることが確認出来たらまずは第一段階クリアと言ったところだと思います。
個別REIT銘柄のウェブサイトで詳細を確認する
TIPRANKSは銘柄間を同じフォーマット、同じ指標で比較するのにとても便利です。
しかし、実際に資金を投入するかどうかについてはその銘柄の投資方針やより長期的な分配実績を確認する必要があります。
そこで、銘柄コードをGoogle検索で調べます。この時、銘柄コードだけで検索するとYahoo Financeや先ほどのTIPRANKSのようなサイトばかり出てきてしまうので、Allied Properties REITのように銘柄名で調べるとよいです。
ウェブサイトにたどり着いたらINVESTORS向けの情報からより長期の分配金実績や投資方針を確認します。
Allied Properties REITの投資家向け情報の中に下のようなグラフがありました。20年間にわたり一度も分配金が減少したことがなく増え続けていることが説明されています。
このように便利サイトだけでなく個別の投資家情報に目を通して自分で判断することが大事です。
REIT銘柄選定時の注意点
REIT銘柄を選定する際に利回りが非常に大切な要素であることは当然です。しかし、利回りだけに目を取られるととんでもない失敗を犯しかねません。
例えば以下の銘柄です。
Slate REIT (SOT.UN)
この銘柄の分配金利回りが34.18パーセントととんでもないことになっています。
こういう銘柄は要注意です。過去の配当履歴を見てください。2023年10月が一番右に来ています。という事は2023年10月以降は配当が支払われていない訳です。
価格の推移をみると次のようになっています。もともと1口あたり4.5カナダドル前後で取引されていたのに現在では0.76ドルと言う価格に暴落しています。
これは分配金が引き下げられたり、分配金の支払いが停止したことによって価格が下がったためです。
利回りは分配金を価格で割ったものなので、まだ分配金があったころの過去の分配金を現在の暴落後の価格で割ったがためにこのように一見非常に高い利回りとなっているのです。
単に配当利回りの数字を見るだけでなく、分配の実態を見ることが大事です。
また、そもそも減配となるような経営をしていないかと言うところまで深く確認して買い付けるようにする必要があると思います。
まとめ
この記事ではカナダでREITによる資産運用をする際に具体的にどのように銘柄を選定していけばよいかについて私の考えをもとに説明しました。
- 銘柄の比較にはTIPRANKSが便利
- TIPRANKSはプレミアム会員になる必要はない
- それぞれの個別銘柄のWebサイトで投資家向け情報で過去の分配金実績や投資方針についてもちゃんと確認する
- 価格暴落による見せかけの利回りには要注意
*1:そもそも投資は人の意見に耳を傾けるのではなく基本的な情報を集めた上で、投資判断となる分析は自分でするべきだと私は考えています