2024年7月退職、FIRE民への仲間入り予定のゆんのブログです。

資産形成やFIRE後の生活、人生を充実させるための方法について発信していきます。

遺産相続・退職金|まとまったお金が入った時の運用はバリュー投資が最適な3つの理由と知っておきたいデメリット

■注意点(2024年2月21日追記)■
バリュー投資は「企業の価値」に対して割安な株を買うという手法です。「企業の価値」をどう見積もるかは時代に伴って新しい考えが生み出されてきました。その結果、いくつかのバリエーションが生まれました。

このブログで言及しているのは、「企業が持つ正味流動資産を基準に企業の価値を算出し、それに対して割安かどうかを判断する」という古典的なバリュー投資の考え方の特徴です。(古典的でも私個人の経験では、個人投資家にとっては十分に有力と考えています。)

よって、この記事で書いているバリュー投資の考えはどこかの別の記事と違うからと言って、どちらが間違いというわけでありません。ご了承下さい。

またこのブログでも別の記事でより現代的なバリュー投資についても解説していく予定です(2024年2月21日)

「退職金でまとまったお金が入ったので資産運用をしたい。」

「生活費の足しに安定収入を得たい。」

「オルカン型などの投資信託の種類ではなく、具体的な商品名を教えて欲しい」

と言ったような悩みをお持ちではありませんか?


そんなあなたが必要としているのはおすすめの金融商品の名前ではありません。バリュー投資の対象として適格な株式銘柄を自分自身で選び抜く力です。


理由は、正しい知識を身に付けるステップを飛ばして簡単に答えを得ようとすると損をするリスクの高い商品や銘柄を選択してしまう可能性が高いからです。


しかし、きちんとバリュー投資の正しい知識を身に付ければ堅実な運用で元本を守りつつ安定収入を得ることはそれほど難しい事ではありません。

■この記事でわかること■

  • バリュー投資の概要とメリット・デメリット
  • バリュー投資を学ぶ意義

私は正しい知識を持たずに2000万円の元手で株を始めました。当初、誤った投資判断で日産株の暴落やアパレル関連株で数百万円という大きな損を経験しました。


バリュー投資を学び、その後6年間で損を取り戻してさらに元本を2900万円まで増やすことができました。


正しい知識を持たない怖さとバリュー投資のメリットを身をもって知っている私の経験を踏まえた説明ができればと思います。

バリュー投資の概要

時計とお金で時間を味方につけるイメージを表現している
時間を味方につけて収入を得る

バリュー投資について簡単に説明します。


バリュー投資は本来の企業価値よりも低い株価での株を厳選して買い付け、長期保有をする投資戦略です。


市場では成長や配当による分配への期待や失望から株が買われたり売られたりします。その結果、本来の会社自身の金銭的な価値と株価が乖離が発生します。


たとえば投資家が勝手に成長を期待しすぎていたために業績がそれほどでもなかった時に期待の反動で株価が実力以上に下がりすぎてしまうことがあります。

そのような株価が下がりすぎてしまった株を買うのがバリュー投資です。

市場が期待していたほどではないけど、それでも成長している、というのがポイントです。


価値があるものを安く買える時に買うという、言われてみれば当たり前のことを地で行くのがバリュー投資です。


■バリュー投資をひとことで・・・■

  • 本来の企業の価値よりも低い株価で取引されている株を買う
  • 今後の成長や知名度、知的財産など目に見えないものを評価しない
  • 価値があるものを安く買うという当然の感覚で実施できる

バリュー投資のメリット

コインから木が生えていてそれを持っていることで金のなる木を大切にしていることを表現している
バリュー投資という金がなる木を大切に持っている

ローリスク・ミドルリターンなので安心して利益が上がるのを待てる

バリュー投資はローリスク・ミドルリターンです。

普通はリスクに見合ったリターンしか得られないものですが、バリュー投資はリスクとリターンが比例していません。


本来の価値より安く買っているため、長期保有すれば株価は下がるより上がる可能性の方が高いのでローリスクと言えます。


買い付け時の株価が低いほどそれ以上値下がりする可能性が低く、値上がりする可能性と幅が大きくなります。つまりリスクを抑えるほどリターンが大きくなるのです。


また、バリュー投資の主な目的は長期間にわたって配当収入を獲得し続けることです。


それにもかかわらず安値で買い付けているため、結果的にキャピタルゲインが得られる場合があります。メインは配当金目的なのにキャピタルゲインが視野に入っており、しかもリスクが小さいというのがオイシイところなのです。


インデックス型投信は幅広い銘柄に自動的に分散して投資するので、長期保有に適していない銘柄を含むことが避けられません。


いわば不適切銘柄を含むことを許容することによってリターンを犠牲にすると同時にリスクを抑えるという戦略です。


バリュー投資では自分で個別銘柄を選択するので不適切な銘柄をポートフォリオから除外できます。

だからこそインデックス投信と比較してリスクの割にリターンが大きいのです。


バリュー投資がローリスクなのにミドルリターンなのはこのように本命の配当金以外に本命ではないはずのキャピタルゲインがあり、しかも不適格銘柄を含めないためにポートフォリオ全体の効率がインデックス型投信より高いからと言う理由です。

■ローリスク・ミドルリターンの理由■

  • 配当金に加え、キャピタルゲインが視野に入っている
  • 不適格銘柄を含まないので足を引っ張る銘柄が少ない

株価変動を気にしなくてよいので精神的に楽

大自然の中で深呼吸して細かいことにとらわれないイメージを表現している
株価変動から解き放たれて自由になる

バリュー投資はそもそも株の長期保有が目的です。そのため株価を頻繁にチェックする必要がありません。


また、株価変動自体が怖くありません。バリュー投資家にとっては株価下落は株を買い増しするチャンスです。株価が上がれば売却してキャピタルゲインを得ればよいし、下がればさらに買い増しすればよいです。何もしなくても構いません。よって株価は短期的には騰落どちらに転んでも大丈夫です。


これは長期保有が前提だからこそできることです。長期にわたって投資を続けるにあたり精神的に楽なことはとても大切な条件です。


しっかりとした分析に基づいて買い付けを行えば自分のポートフォリオに自信を持てる

バリュー投資は割安の株を買い付ける手法です。割安の株は指標的にある程度、銘柄を絞り込むことができます*1

数字で出てくる値で機械的に銘柄を抽出するため、不安が入り込む余地がありません。

しかし銘柄を抽出するだけではだめで、その後にその会社が投資に値するかどうかをしっかりと分析する必要があります。

機械的抽出としっかりとした分析の2段構えで買い付けた株で構成されたポートフォリオ(=保有銘柄の組み合わせ)には自信を持つことができます。


■バリュー投資まとめ■

  • ローリスク・ミドルリターン。リスクが低いほどリターンも大きい
  • 株価変動を頻繁に気にしなくてよい。どちらに転んでもチャンス
  • 買い付けの条件が決まっていて機械的に算出できる


デメリット

短期間の運用には向かない

バリュー投資は長期保有が目的のため、短期間で利益を上げるには向いていません。そもそも主目的が配当金を受け取り続ける事です。人生100年時代なので長期投資で持ち続けるという戦略は時代にマッチしていますし、60代でもあと長期投資をするメリットがあります。むしろリタイア後こそ、短期間に一攫千金を狙うのではなく長期にわたり安定収入を狙うべきです。

そこそこの利益で満足しなくてはならない

バリュー投資はミドルリターンです。ハイリターンではありません。市場の気まぐれを狙っていないためにラッキーによって大金が転がり込んでくることはありません。一発で大きなキャピタルゲインを得るのではなく、そこそこの収入を安定してもらい続けることを狙いつつ、キャピタルゲインを頭の片隅におまけ程度に置いておくのがバリュー投資の戦略です。


ある程度の元本が必要となる

バリュー投資の父、ベンジャミン・グレアムによるとバリュー投資を成功させるにはバリュー投資の条件に見合った株を複数持つことが必要です。投資先を分散することによってもともと低いリスクがさらに低くなり、ポートフォリオが盤石になります。


投資先を分散するという事はある程度、元本に回すだけの種銭が必要となります。


まとめ

以上、長くなりましたがバリュー投資の概要とメリット・デメリットについて説明してきました。
  • バリュー投資は企業価値と比べて割安の株価で買い付ける
  • ローリスク・ミドルリターン。しかもリスクが低いほどリターンも大きい
  • 株価はどちらに振れても大丈夫
  • 長期保有目的で買えばいいし、株価が上昇したら売ってもよい

以上より、バリュー投資は長期投資を前提にリスクを最低限に抑えつつ、配当に要る収益だけでなくキャピタルゲインによる上振れも期待できるという、相続や退職金を手にした人にとってはうってつけの投資戦略です。

私の書いたベンジャミングレアムの賢明なる投資家の解説が電子書籍になりました!Kindle Unlimitedで読み放題です!

*1:ベンジャミン・グレアムが提唱する古典的な割安株の場合。ウォーレン・バフェットのように事業内容に着目するバリュー銘柄は今回の記事の説明対象外