2024年7月退職、FIRE民への仲間入り予定のゆんのブログです。

資産形成やFIRE後の生活、人生を充実させるための方法について発信していきます。

【経験談】FIRE(早期リタイア)の本当の理由|FIRE(早期リタイア)の理由は「自由気ままな暮らし」ではない

「なぜFIREを目指しているの?」
「FIREした後、何をしたいの?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?

この記事では私がFIREをすると決めた経緯について紹介します。

私は2024年7月に退職しFIRE民になることが決まっています。この記事は退職まで半年を切った2024年2月に執筆、投稿したものです。

結論から言うと、私がFIREをすると決めた理由は自分の人生を自分の手に取り戻すという決断からでした。

非常に精神的に参っていたころの決断です。このことについて私の経験をお話したいと思います。

会社に育ててもらい、成長できた10年間

学び、練習し、教えてもらい、成功への階段を上るイメージ
成長の階段を上ってきた10年間だった

私は大手製造業の本社で10年間働きました。

その間、先輩や当時の上司に仕事の仕方や考え方について丁寧に教えてもらいました。

一方、独学で自動化のプログラミングや業務プロセスの改善手法について学びました。先輩や上司に教わった業務知識と独学で学んだ自動化や業務プロセス改善がうまくかみ合い、職場のいろいろな業務改善に携わることができました。

周囲に喜んでもらえたり感謝されたりして、その職場で仕事ができて本当に幸せでした。自分の存在がまるっとそのまま認められており、発言にも耳を傾けてもらえていました。

その職場での仕事は天職だと思っていました。

訪れた転機

現地の仕事に適応できずに苦しい時期を過ごすイメージ
現地の仕事に適応できずに苦しい時期を過ごす

そんな私に転機が訪れました。アメリカに駐在員として赴任せよとのことでした。異なる環境で経験を積んできて戻って来いという会社からの期待を背負っていると私は感じました。

張り切って渡米したのですが、現地では慣れない仕事を覚えるのに大変苦労しました。私は物覚えや理解が早い方ではありません。かなりかみ砕いて自分の頭で納得して作業に落とし込んでいかないとなかなか前に進めない不器用さがあります。

私の覚えの悪さ、不器用さは焦りを生み、次のミスを犯して余計に時間がかかってより焦る、という悪循環に陥っていました。

そのうちに現地の上司も堪忍袋の緒が切れてしまいました。

「現地社員だったらもうクビにしている。お前は本社からの駐在員だからクビにできないが、本来ならクビだ」

と言われました。いままで積み重ねた来たものがガラガラと崩れる感覚がありました。こんなに簡単にクビになるのかと言う恐ろしさ。日本では自分がクビになると言われることなどまったく考えたことすらありませんでした。

会社に依存している事の恐ろしさを知る

この時、社会人になって初めて私は会社に食い扶持を依存している事の恐ろしさを感じました。

妻も小学生の子どももいるのにクビになったら困る!と思った私は文字通り泣きながら頑張りました。

ストレスとプレッシャーで頭がいっぱいの私は毎日ミスをしないように気を付けることが精いっぱいで、とてものびのびと力を発揮して仕事ができるような状況ではありませんでした。

帰国の希望

精神的に病んでいる状態をコミカルに表現するための鳥のイメージ
帰国希望を伝える直前の時期は無表情で常にうつむき加減だった

張り詰めた状態でそのまま1年ほど頑張りましたがついに精神的に限界に追い詰められた私は、ついに日本に帰国したいという希望を上司に伝えました*1

悩みの根本原因に気づかせてくれた一言

退職の意向を伝えた数日後、会社の上層部の人から私に電話がかかってきました。

「上司に叱られたぐらいでへこたれるな。今は恵まれた環境なんだぞ。」

私は「恵まれた環境」と言う言葉にピンときました。海外駐在員は確かに海外勤務手当の分だけ待遇に恵まれています。小さな子どもがいるため、将来に備えてその手当てが非常にありがたい(と思っていた)のです。

私は高給取りという恵まれた環境だからこそクビになったら困ると考え、ひたすらに頑張ることしかできなかったのだと気づきました。

高い給料をもらっている限り、管理職の名のもとに残業代はつかなくても長時間働かなければならないし、精神的に追い込まれてもがむしゃらに働き続けなければなりません。

この「恵まれた環境」を手放さない限り私は自分の人生を自分でコントロールできない、と感じました。

それに気づいたとき、私は退職を決めました。

以上が私がFIREを決断した経緯です。転職ではありません。会社員というライフスタイルからの離脱です。

転職はその職場から離れるというだけで根本解決ではないからです。

私がFIREを志した理由は自由気ままに暮らしたいとか、遊んで暮らしたいとか、そういったことではないということが伝わったでしょうか。

FIRE後の仕事

きょう行動を起こそうというメッセージを訴える画像
一年前の自分ができなかったことができるためにきょう何ができるか

FIREと言っても仕事をしなくなるわけではありません。ブログや電子書籍の執筆などのパッシブインカムを得る仕事は継続します。むしろ力を入れていきたいと思っています。

しかし、仕事は好きな時にやりたいものしかしません。

そのために、退職までの今の時期、退職後に困らないようにしっかりと一日一日を大切に、残りの時間の会社の仕事も丁寧に、ブログや電子書籍の執筆と言ったプライベートの仕事も丁寧に進めているところです。

まとめ

  • FIREをする理由は自分らしさを取り戻し、自分の人生の舵を取り戻すため
  • 自由気ままに暮らしたいからFIREするわけではない
  • FIRE後はむしろ仕事に力を入れるが、したい仕事をしたい時にだけしかしない


■ワンポイント■
金融資産で人的資産(労働力)を補うことについては橘玲さんの幸福の資本論に説明されています。

幸福は金融資産、人的資本、社会的資本の3つの土台の上に成り立つとされており、FIREはこの説に従うなら金融資産で人的資本を補うライフスタイルに変更することを意味すると思います。詳しくは書籍にてどうぞ。

*1:非常につらい状態になってからの1年は地獄の苦しみでした。その状態でも1年頑張れたのは妻と子供のおかげです。家には私を大切に受け止めてくれる家族がいたことが本当に助けになりました